X-Marks The Pedwalk - Freaks
Released Year:1998
Record Label:Metropolis
Track Listing
1.Zest
2.Repression
3.Swastika
4.Express My Sentiments Exactly
5.The Shot
6.Helpless
7.Battered Babies
8.Church For Snow White
9.Epilogue: Desert In Dawn
10.Feast Of The Resurrection
11.I See You (Second View)
12.No Premonition (Re-edit)
13.Paranoid Illusions (Sky Mix)
14.Interruption
ドイツのエレクトロ・インダストリアルユニットの1stアルバム。オリジナルは91年発売で、上に挙げたのは98年にMetropolisから出た再発盤です。アートワークがちょっと変わったほか、曲目も少し変更。オリジナルの1曲目だった"Abattoir"を削り、コンピ提供曲やシングルB面曲を#11~14に追加しています。
初期のシングル群で既に「FLA風の強迫ビート+Nivek Ogreリスペクトなヴォーカル」という図式を見せていた彼らですが、このデビューアルバムではその方向性をさらに推し進め、中期Skinny Puppyのノイズ成分を導入。結果として、「フロア対応型VIVIsectVI」とでも呼びたくなるような、ノイジーかつトランス寄りのボディを成立させています。
全体的にビートやVo.にかなり強烈なエフェクトがかけられており、デビュー当初の頃よりも迫力がアップ。常軌を逸した歪み方で魅せてくれます。特にVo.に関しては声質だけでなく、パピーらしい早口言葉のような独特の節回しも踏襲されており、個人的に高ポイント。さらにサンプリングボイスや悲鳴のコラージュも実に狂気的で、神経質でキリキリとした雰囲気を高めています。それでいて、ゴシックで荘厳な旋律も随所に散りばめられており、単に破壊的なだけではない耽美な面もアピール。重厚なシンセを重ねたインタールード的な#4などは、その極致と言えるでしょう。
ハーシュに幕を開ける#1,7、分厚いビートで高圧的に攻め立てる#2,3など、Skinny PuppyやFLAといった先達と似ているようで実はどこにも無い独自のEBMを展開。アルバムを通して捨て曲らしい捨て曲もなく、非常に安定した充実度を誇っています。ここで1度やりたいことをやりきってしまったのか、本作以降は徐々にノイズ・ボディ成分が後退しメロディアスなフューチャーポップに変貌してしまう*1彼らですが、個人的にはもう1枚ぐらいこの路線で突き進んで欲しかったところ。
あまり知名度の高くない彼らですが、特にこの1stは良質なパピーフォロワーの作品として、もっと評価されても良いのではと思っています。初期Zoth Ommogのカラーを代表する隠れた好盤!
Pick Up!:#8「Church For Snow White」
かの名曲"Human Desease"を髣髴とさせるジャンクでぶっ壊れたボディを、トランス流に解釈した形で鳴らしている曲。このガシャガシャと引き攣ったビートは笑っちゃうほどパピー節ですが、きちんとダンサブルに仕上がっているのは流石です。明らかに"Harsh Stone White"を意識していると思われるタイトルを含め、本当にSkinny Puppyが好きなんだな~ということが伝わってきて微笑ましいですね。