Sielwolf - Nachtstrom

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 ドイツのインダストリアルバンドの2ndアルバム。元々は93年にCashbeatというドイツのレーベル*1からリリースされていたアルバムを、同じくドイツのVan Richterというレーベルが97年に米国向けに再発したもの。オリジナルは全13曲、70分超えのボリュームだったのですが、再発に当たって収録曲が整理され幾分コンパクトになっています。ここで外された曲は、同時にVan Richterから再発されたシングル「Magnum Force」に追加されているので、そちらと併せて聴くことでコンプできます。ちなみにプロデュースは元YelloのCarlos Perón*2。ジャケット写真はカルト映画「ヴィデオドローム」のワンシーンからの引用です。(これは「Magnum Force」も同様。)

 

 90年代のインダストリアル・シーンでは、EBMを出発点としつつも、よりノイジーさを強めて独自の暗黒世界を構築するグループが存在していました。先駆者であったSkinny Puppyの沈黙以降も、その遺志を引き継ぐかのように、カナダのNumbやDecree、ベルギーのDive/Sonarなどが頭角を現しています。これらのグループが提示したサウンドは、その後ミニマルなテクノと結びつき、"リズミックノイズ/パワーノイズ"あるいは"テクノイズ"などと呼ばれるようになりました。

 

 そして今回取り上げるこのSielwolfは、あくまでロックバンドの形態をとりつつも、そういったユニットと同じベクトルの暗黒世界を志向しているように思えます。Van RichterのHPに掲載されているバイオグラフィーでは"METAL NOISE"という表現をされていました*3が、まさに"ノイズ・メタル"にあらず"メタル・ノイズ"としか呼べない、「ハーシュノイズ/ダークアンビエント主導のメタルバンド」という異形の悪夢的音像を見せてくれます。

 

 とにかく1音1音の重みと圧が凄いのなんの。アルバム序盤こそ、無慈悲なリズムマシンの反復で強制的に躍らせる#1や、超重量級サウンドで狂気へひた走る#2など、比較的キャッチーな縦ノリの曲もありますが、むしろ彼らの本領発揮は3曲目以降。強力な音圧でビリビリと唸るベースに、サンプリング音や金属音、そしてハーシュノイズが幾重にも重ねられたメタル/ダーク・アンビエントが展開されます。特に#4は、工場内部を思わせるドゥーミーな前半から一転、鉈のように振り下ろされるギターと削岩機と化した鉄槌ビートが襲い来る、まさにメタル・ノイズな一曲。

 

 さらに10分越えの#6は、廃墟でフィールドレコーディングしたような環境音から始まり、じわじわとノイズの壁が押し寄せ、その中にホラー映画のスコア由来とおぼしき不穏な旋律が聴こえてくる瞬間がたまらなくカタルシス。こういったアンビエント調の曲はほとんどPrurientやRamlehの域で、もはやバンドらしさといったものは完全に皆無です。一方、箸休め的な浮遊感を醸す#8では、ひんやりシンセに突然EBMっぽいシンセベースが飛び出すなど引き出しも多く、ノイズ一辺倒で飽きさせることがありません。

 

 先述したVan RichterのHPには本人たちへのインタビューも多数掲載されており、いわく中心人物の1人は5年ほど精神科に分析医として勤務していた経験がある模様。インタビュー中でも「自分たちの音楽はサイコハイジーン(Psychohygiene:精神衛生学)のようなもの」と繰り返しており、闇を抱えすぎて心が壊れる前にそういったものを吐き出し、取り除いていく一種のセラピーのようなもの…と説明しているようです*4

 

 ネット上のレビューではNeubauten×Godflesh、的な紹介をされることが多いようですが、どちらかと言えばメタルを取り入れたPrurient、ぐらいの方が近いと思います。とはいえこのバンドの強迫観念の凄まじさと、静/動のコントラストの過激さはちょっと他に思い当たるグループが無く、簡単には模倣も追従もできない異端のグループであることは間違いないです。CDもそこまで入手難ではないようですし、Bandcampでも配信されてますので*5、インメタ好きにもパワエレ好きにもこれを聴かずして死ぬな!と触れて回りたい1枚。超オススメ。

 

Released Year:1997

Record Label:Van Richter

 

Track Listing

  1. Korrosion
  2. Verstärker Zerstört
  3. Embryo
  4. Nachtstrom
  5. Brushed Steel
  6. Freitag (1:54)
  7. Embryonal
  8. Vengessen
  9. Ghost Track

 

 Pick Up!:#2「Verstärker Zerstört」

  爆発音をサンプリングして加工したような圧搾ビートと、耳をつんざくハウリングノイズ&メタパーで構築されたリフレインで掴みは完璧。疾走する演奏とチェーンソーのサンプリング、そして狂気の形相で喚き散らすしゃがれヴォーカルが絡み合い、果てしなく暴走する重戦車のような迫力が凄まじいです。ある意味で本来のインダストリアル・ミュージックの趣旨に忠実な、"正しくインダストリアル・メタルしている曲"ともいえるでしょう。冒頭にMCらしい声が入ってますが、もしかしてライブ録音なんでしょうか?

*1:初期のKMFDMやSwamp Terroristsの作品もここから出ていました。

*2:この縁があってか、Carlos Perónのソロ作品にSielwolfがリミックスを提供したりもしています。

subculturerecords.bandcamp.com

*3:出典:https://vanrichter.net/siel_bio.html

*4:出典:https://vanrichter.net/interviews/siel9_int.html 「歯医者に行くハメになる前に毎日歯を磨くようにね」などとのたまっていますが、いや、君らの"歯磨き"重すぎでしょ…

*5:Van Richter公式にもありますが、オリジナルの曲順かつCarlos Perónがリマスターしたバージョンも別で配信されているようです。

subculturerecords.bandcamp.com

2021年の良かった新譜

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 2020年までは純粋にその年購入したものを列挙していましたが、2021年は13枚ぐらいは買ってたのでその中から抜粋で。何とか年度末には間に合わせた…(間に合ってはいない)

 

①Valuemart - Alice Underground

detritirecords.bandcamp.com

 Daisと並び気焔を上げるベルリンのダークウェイブ系レーベル、Detriti Recordsよりデビュー作。以前紹介したWisteriaにも通ずる"泣き"のダークウェイブですが、このグループはやや生音多めのバンドサウンド寄りな音楽性です。#1のタムの使い方などはモロに「Pornograhy」の頃のキュアーのそれ。ジャケのイメージも心なしか似てる?

 

②Choke Chain - Endless Death / Invoking Shadows

chokechain.bandcamp.com

 米国ウィスコンシン州を拠点とするハーシュEBMユニットの2ndEPと3rdEP。デビューは2020年ですから、1年半ほどの間にEPを3枚となかなか精力的に活動しています*1。その方向性は一貫しており、まさにLeaether Stripの再来と言っても過言ではないダーク・エレクトロ系のボディを鳴らしていて好感が持てます。まだアレンジの幅に物足りない部分はあるものの、90年代に跋扈した有象無象のダーク・エレクトロ系よりは遥かにハイテンションで良質な仕上がり。去年はBlack MagnetというKlute直系のフォロワーが出現して歓喜に震えていましたが、続いて本家レザストのフォロワーまで現れるとは思っても見ず、主に私だけ盛り上がっております。今後の活動が楽しみですね。

 

③Donna Haringwey - Venal

strangetherapy.bandcamp.com

 ベルリンを拠点に活動する1人ユニットのデビューミニアルバム。アムステルダムのStrange Therapyというレーベルからのリリース。これがSkinny Puppy+Foetus+Danny Elfman+ダブステップ…みたいな恐ろしい代物です。パピー(というよりサイドPのDownloadに近いかも)特有の変則ビートとノイズに、ジムフィータスを思わせるハイテンションで気色悪い金切り声が重なる異様さは、もはや圧巻通り越して絶句。そのうえ、聴きやすい捻れたポップ感すら備えているという絶妙なバランス感覚。#1 "Confused Johnny"や#4 "Funky Moolah"の撥ねたボディビートと強烈なヴォーカルチョップのコンボを是非体感してほしいですね。21年で一番衝撃的だった作品。

※この記事を書いてる間に、21年9月にフルレングスが出ていたことに気付きました。これから聴きます…

 

④Primitive Knot - Fight The Future

primitiveknot.bandcamp.com

 以前紹介したコラボバンド、TRIALの片割れがやっているインダストリアルメタルバンドのアルバム。これがTRIALに負けず劣らず素晴らしい快作でした。ザラザラとしたノイズ交じりのギターサウンドはTRIALと同じですが、速さ重視のスラッシュというよりはミッドテンポのオルタナっぽいリフが多い印象。こういう音はすぐにGODFLESHと結びつけられそうだけど、どちらかと言えばジャスティンが昔ドラムを叩いてたHead Of David*2の音に近い気がしています。タイトル曲#3の疾走感と王道なギターリフ*3が鬼カッコいいので是非これだけでも聴いてみて欲しいところ。

 

⑤DIE KRUPPS - Songs From The Dark Side Of Heaven

diekrupps.bandcamp.com

 相も変わらず精力的に活動を続けるクルップス、今回は丸ごとカバーアルバムです。元ネタはやはりEBM中心かと思いきや、QueenやBlue Öyster Cult等、本人たちが少年時代に聞いていたであろうグループまで引っ張り出してきたりと、なかなか多彩。基本はいつものクルップス節なボディ色に染め上げられていますが、Gang Of Fourのカバーではアンディ・ギルの"あのギター"をかなり忠実に再現しているのが面白いです。しかもドラムはKJのポール・ファーガソン(!)。

 

⑥TRIAL - COLOURVOID

trialthrash.bandcamp.com

 PKが新譜出したと思ったら、こっちも待望のフルレングスが出ました。#1こそデビューEP同様にバリバリのスラッシュメタルですが、それ以降(特に#2と#7)よりニューウェイブ的でメロディアスというか、音にまろみが出てきた感じです。最初はちょっと戸惑ったんですが、聴いてるうちにこれはこれでアリ…と思うようになりました。この"ハード・ニューウェイブ"みたいなサウンドKilling Jokeの「Democracy」辺りに近いものがあるかも。頑なにデス声でメロディ歌おうとするところとか。

 

⑦Tayne - Coherent EP

tayneband.bandcamp.com

 ロンドン出身の1人ユニットのEP。リミックスにJesuが参加していることからも窺えますが、シューゲ的な浮遊感・透明感とハードコア・インダストリアル的な激しさを併せ持つタイプのサウンドです。クリーントーンかつ線の細いVo.も印象的。この手の音は個人的にそこまでピンと来ないことが多いのですが、本作はタイトル曲#3のスピード感が気に入って購入。Jesuのリミックスもオリジナル以上に泣きメロ全開でよし。

 

⑧V.A. - Unification Of Harsh Realities Vol.1

nim-tapes.bandcamp.com

 Bandcampを彷徨っていてたまたま見つけたレーベル、N.I.M Tapesのコンピ。スコットランドのハーシュEBM系レーベルらしいのですが、全然情報が無くて謎。9曲目のEthan Fawkesが、ガバテクノを思わせる高圧的なビートとメタパーを織り交ぜた最高な音を鳴らしていたので購入。インスト系が多い中ヴォーカルがしっかりあるのも高ポイントです。ほかのグループもChoke ChainやVomito Negroを想起させるOld School Harsh EBMでたいへんよくできております。

 

⑨Noise Unit - Deviator

noiseunit.bandcamp.com

 クルップスと並び精力的に活動を続けるFLAですが、ここに来てまさかのNoise Unit復活。しかしPIGのレイモンドワッツ参加と聞いて、"例のジンクス"が頭をよぎりもしましたが、蓋を開けてみると…まぁ可もなく不可もなくといったところでしょうか。またしてもDAFのカバーか?と一瞬疑ってしまうようなタイト感のある#2や、ワッツ参加でギターまで登場し完全にKMFDM/PIG化している#5などは緊張感があってgood。ただアルバム後半がダレ気味なのが惜しい。それでもFLAの「Mechanical Soul」よりは全然良いです。

 

⑩Vomito Negro - Entitled

mecanica.bandcamp.com

 2010年に復活してから早10年目を迎える、ベルジャンEBMの重鎮(デビューは85年)による新作。本作は80年代のアウトテイクを基に、わざわざ当時使っていた機材(アナログシンセ)でリアレンジ・再録音をしたものだそうで。とはいえ復活後の作風は良くも悪くも金太郎飴状態なので、本作も安心して聴けるダークなEBM/ニュービートに仕上がっています。同期のベテランたちがサウンドを現代風にアップデートしていく中、生きた化石の如くスタイルを変えない(それでいてクオリティを維持している!)彼らの存在は本当に貴重。22年夏には新作もリリース予定とのことで、これからも末永く頑張ってもらいたいですね。

 

 その他にもFLA、Youth Code、Pop. 1280の新作も購入してましたが、個人的にはそこまでピンと来なかったなぁ…というのが正直な所。Pop. 1280については曲単位では気に入ったものもあったので、もう少し聴き込んだら評価が変わるかもです。

 

※オマケ

optimomusic.bandcamp.com

 JD Twitch主宰の復刻専門レーベル「Optimo Music Archiv」より、初期KK Recordsに所属していたベルギーのEBM/ニュービートユニット、The Force Dimensionがリマスター再発されていました。前に当ブログで紹介したFatal Morganaにも似たベルジャン・ニュービートで素晴らしい内容ですので、こちらも是非。

*1:昨年6月には、1stEPと2ndEP+αをコンパイルしたLP盤もリリース。→CHOKE CHAIN - DEATH TACTICS | COLD EXPERIMENT

*2:"Dog Day Sunrise"はフィアファクがカバーしたことでも有名。

*3:最近気づきましたが、このリフはもろにサバスの"Symptom Of The Universe"ですね。

EBM(エレクトロニック・ボディ・ミュージック)を聴くならまずはコレ!な入門用リスト

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 今回は基本に立ち返って、「最近EBMって言葉を知ったけど、どういうジャンル?何から聴けばいいの?」という方のために、入門にふさわしいであろう代表的なグループと、その名曲・名盤をセレクトしてみました。とりあえずこの辺を一通り押さえておけば、今日からあなたも立派な"EBM通"です。

 

そもそもEBMって何?

 Electronic Body Music、略してEBM。80年代後半から90年代前半にかけて勃興したこのジャンルを一言で説明するのはとても難しいのですが、個人的には「テクノみたいなロック、もしくはロックみたいなテクノ」と解釈しています。すなわち、「無機質で強迫的なビート」「ブリブリと肉感的なシンセベース」「ざわざわしたダミ声ボーカル」「各種ノイズや金属音」といったパーツを駆使して、"80年代まで"のエレポップやテクノポップよりも"凄み"を効かせた電子音楽。結果、テクノというには生々しいし、ロックというには電子的すぎる…*1という不思議なジャンルが誕生したわけです*2

 と書いても伝わりにくいと思うので、こんな駄文はさっさと飛ばして実際の音源を聞いてみましょう。

 

 

Ministry (アメリカ)

Over The Shoulder (1986年/2ndアルバム「Twitch」に収録)

www.youtube.com

 いわゆる「インダストリアルメタル」の代表格としても有名なグループですが、活動初期はギターを使わず電子音中心のEBMをやっていました。EBMというジャンルの音を定義したともいわれる作品ですので、入門にまず1枚選ぶならこの「Twitch」からどうぞ。一般的なテクノとは違うプリミティブな重量級ビートと、リズミカルな金属音*3に注目してみてください。

 

You Know What You Are (1988年/3rdアルバム「The Land Of Rape And Honey」に収録)

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 「Twitch」の次に出たアルバムから。この頃からギターも使い始めて「インダストリアルメタル」というジャンルが生まれた…とも言われていますが、アルバムの後半はこんな感じのEBMが主体だったりします。ボーカルのエフェクトをはじめ、上の曲と比べて音が攻撃的・狂気的になってきていますね。1枚でインダストリアルメタルとEBMを2度楽しめますので、この3rdアルバムもオススメ。

Ministryが気に入ったら…
Revolting Cocks - 38

 

Front 242 (ベルギー)

Headhunter (1988年/4thアルバム「Front By Front」に収録)

www.youtube.com

 こちらもEBMの代表格としてよく登場するグループ。「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」というジャンル名の名付け親としても広く知られています。口ずさめるようなキャッチーさを持つこの曲は、当時EBMとしては異例のヒットを飛ばし、彼らの代表曲となりました。シュールなPVにも要注目。

 

Tragedy (For You) (1991年/5thアルバム「Tyranny (For You)」に収録)

www.youtube.com

 「Front By Front」から3年ぶりに出たアルバムの先行シングル。先ほどの曲に比べて、ややダークで神経質な音になりました。とはいえ持ち前のポップさは失われていないので、むしろこっちの方がカッコいい!という方もいるかも。(自分はそのパターンでした。)そしてPVのシュールさは相変わらず。

Front 242が気に入ったら…
A Split-Second - Mambo Witch

 

Nitzer Ebb (イギリス)

Let Your Body Learn (1987年/1stアルバム「That Total Age」に収録)

www.youtube.com

 タイトなドラムとデケデケと地を這うシンセベース、そして漢臭い熱血シャウトだけで突っ走る、まさに肉体(ボディ)重視系EBMの代表格が彼ら。PVからも判る通り、引き締まった筋肉を想起させる、性急でストイックな音が特徴です。実は後世のテクノへの影響も大きく、ハードミニマルと呼ばれるジャンルの源流になったとも言われています。

 

②  Violent Playground (1987年/1stアルバム「That Total Age」に収録)

www.youtube.com

(スタジオ音源が上がってなかったのでライブ映像を。)

 こちらも同じ1stアルバムから、彼らの持ち味である性急さがよく表れた1曲。耳に残る『カンカンカカンカ カンカンカカンカ』というメタルパーカッションは、後述するSOFT BALLETが"OPTIMAL PERSONA"で、BUCK-TICKが"ICONOCLASM"でそれぞれ引用するなど、日本のバンド群への影響も見逃せない点です。

 ちなみに、石野卓球氏が敬愛するDAFもこのグループと同じ系統。というより、DAFの音楽性を丸パク…もといアップデートしたのがNitzer Ebb、という認識でOKです。

Nitzer Ebbが気に入ったら…
DAF - Der Mussolini

 

Die Krupps (ドイツ)

The Machineries Of Joy (1989年/ベストアルバム「Metall Maschinen Musik: 91-81 Past Forward」に収録)

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 1980年結成の古株ながら、2021年現在も現役バリバリの重鎮。初期はDAFと同じく「ジャーマン・ニューウェイブ」と呼ばれるような音楽性でしたが、その後EBMを経て、ミニストリーのようなインダストリアルメタル*4へと進化していきました。ここ最近はアルバムごとにEBMとメタルを行ったり来たりしています。

 この曲は一時の活動休止を経て復活した際のシングル。先ほど紹介したNitzer Ebbがゲスト参加しているので、仕上がりも似通った雰囲気ですね。

 

High Tech / Low Life (1992年/3rdアルバム「Ⅰ」に収録)

www.youtube.com

 3rdアルバムのリードトラック。この頃から徐々にギターを導入してメタル化の気を見せていきますが、この曲ではまだEBM要素が支配的です。イントロから流麗なシンセの音が耳を惹きますね。ちなみに3枚目なのに「Ⅰ」なのは、活動再開後の1枚目だから。本作に続くアルバムが「Ⅱ」「Ⅲ」と3部作になっていて、時代が下るごとにHR・HM色が強くなっていきます。

Die Kruppsが気に入ったら…
Tommi Stumpff - Le Chien Andalou

 

KMFDM (ドイツ)

More & Faster 243 (1989年/3rdアルバム「UAIOE」に収録)

www.youtube.com

 ミニストリーと並びインダストリアルメタルの代表格として知られているKMFDMも、初期は比較的素朴なEBMをやっていました。彼らの特徴といえば、音楽性の根底にレゲエ・ダブの色濃い影響があるところ。女声コーラスの参加が目立つこの曲もそうですが、どこかソウルフルな"黒さ"を有しているのが他のEBM系グループと大きく異なる点です。

 

Liebesleid (1990年/4thアルバム「Naïve」に収録)

www.youtube.com

 このアルバムの前後から活動拠点をドイツからアメリカに移した関係で、音楽性もハウスやメタルを取り入れたりと少しずつ洗練されていきます。イントロから雷鳴のような打撃音が目立つこの曲は、ギターを導入しつつもEBMらしくパーカッシブで"ビート至上主義"な面を残した、初期の名演です。

KMFDMが気に入ったら…
Tackhead - What's My Mission Now?

 

Front Line Assembly (カナダ)

Iceolate (1990年/5thアルバム「Caustic Grip」に収録)

www.youtube.com

 よく「FLA」という略称で呼ばれるこのグループの持ち味は、しばしば"強迫神経症的"とも形容される緻密なプログラミングと、軍靴の音を思わせる高圧的なキック。特にこの「Caustic Grip」は、EBM界を代表する強力な名盤として、マニアの間で名高い作品です。

 

Paralyzed (1995年/8thアルバム「Hard Wired」に収録)

www.youtube.com

 やや時代が下った95年作「Hard Wired」からの1曲。本人の経験値と機材面の進歩の賜物か、圧倒的に"分厚い"モダンな音になっているのが判るかと思います。彼らは色々と音楽性を変えながらも一貫してサイバーパンク的な作風を有していますが、特にこのアルバムはディストピアンな世界観と重厚なサウンドががっちりと嚙み合った傑作。

 ちなみにギターで参加しているのは、Strapping Young Ladはじめ様々な活動で知られる鬼才、Devin Townsend先生です。

Front Line Assembly が気に入ったら…
Noise Unit - Corroded Decay

 

Skinny Puppy (カナダ)

Human Disease (S.K.U.M.M.) (1988年/4thアルバム「VIVIsectVI」に収録)

www.youtube.com

 このSkinny Puppyは一転してホラー/実験色が強め。ウゲウゲとゾンビのようなヴォーカルと、ノイジーで狂気的なサウンドはやや人を選びますが、ハマる人はどっぷりハマってしまう…そんな磁力を持ったグループです。あとこの人たち、PVやステージパフォーマンスがかなり過激かつグロテスクな事でも知られていますので、検索するときは要注意。

 ちなみに、先述のFront Line Assemblyの中心人物は、元々Skinny Puppyのメンバーでした。

 

Grave Wisdom (1990年/6thアルバム「Too Dark Park」に収録)

www.youtube.com

 こちらのアルバムもタイトル通りのダークな作風ですが、この曲は若干ダンサブルかつキャッチーで取っ付きやすいかと。偏執的に作り込まれた独特のサウンドスケープは、かのNine Inch NailsMarilyn Mansonが直接的に引き継いだとも云われています。更に90年代以降のEBM/インダストリアル界隈はもちろんのこと、DeftonesKoЯnといったニューメタル系からもリスペクトを集めるなど、後世への影響の大きさは計り知れず。まさに知られざる暗黒帝王と言えるでしょう。

Skinny Puppyが気に入ったら…
Numb - Hole

 

SOFT BALLET (日本)

BODY TO BODY (1989年/1stアルバム「EARTH BORN」に収録)

www.nicovideo.jp

 日本にもEBMをやっているグループはいくつか存在していましたが、知名度・セールスの両面で最も成功したのがこのソフトバレエ。「EBMは知らないけどソフバは知ってる」とか、「ソフバからEBMという言葉を知った」という方も多いでしょう。

 この曲はデビューシングルですが、既に「歌謡EBM」という彼らの個性が確立。ボディビート・シンセベース・メタルパーカッション等、EBMのマナーを忠実になぞりつつも、そこに遠藤遼一氏の伸びやかなボーカルが載ることで、マニアックさとポップさが奇跡的なバランスを保っています。

 

VIRTUAL WAR (1991年/3rdアルバム「愛と平和」に収録)

www.nicovideo.jp

 タイトルからもビシバシ伝わる通り、当時の湾岸戦争に対する反戦メッセージが込められた攻撃的なトラックです。ソフバは海外のEBM/インダストリアル系からの引用が多いことでも有名ですが、この曲は特にそれが顕著。ギターノイズはMinistryの"Stigmata"、シンセベースはLead Into Goldの"Idiot"、ウォー! ウォー!のシャウトはNitzer Ebbの"Cold War"が元ネタともいわれています*5。このように、彼らの"パクリ元"を探していくだけでもEBMに詳しくなれること請け合いです。それにしても、これだけポリティカルなメッセージとコアな音楽性を内包しながら、涼しい顔で(?)お茶の間に進出していたの、今見ると信じられませんね。

SOFT BALLETが気に入ったら…
BRAIN DRIVE - VISION OF LOVE

 

 

 …とまぁこんな感じで、有名どころを一通り紹介してみました。一応、自分の趣味も少し盛り込みつつ、世間的な評価・作品の入手性・アルバム自体のクオリティ等々を鑑みてチョイスをしたつもりです。それと、代表格からもう1歩踏み込んで知りたい方のために、各アーティストの類似・関連グループもちょこっとだけ入れておきました*6。それでも尚「何であのグループが入ってないんだ!」「代表曲ならコッチだろ!」といった不満を持たれたそこの貴方、是非貴方も"自分自身が納得できる"EBM紹介文を書きましょう。マイナージャンル故、布教サイトはいくつあっても足りるということはありませんので…。

 

~おまけ~

 完全に個人の趣味を垂れ流したフェイバリットEBMリストはTwitterの方に残っていますので、良ければこちらもどうぞ。

 

*1:いんなーとりっぷブログ様では、これを「テクノロジーを駆使したハードロック」と表現されています。

*2:ちなみに、このEBMスラッシュメタルのギターリフを追加すると「インダストリアルメタル」というまた別のジャンルになります。といってもこの辺りの線引きは曖昧で個人の趣味嗜好によるところが大きく、自分の場合は「電子音の比重が高ければEBM、メタルギターの比重が高ければインダストリアルメタル」ぐらいのユルさで捉えています。

*3:メタルパーカッション、略してメタパーとも呼ばれます。

*4:細かいことを言えば、同じインダストリアルメタルでもミニストリーとはやや毛色が異なりますが…。

*5:あくまでファンの推測であり公式見解はないですが。あと、私は洋楽などをパクるということに特に否定的・批判的な意見は持っていないので念のため。

*6:こちらはやや入手難易度高めなものもありますのでご注意を。

Def.Masterのメンバー変遷

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 オマケ。ツイッターやらネット上に散逸している情報を基に、歴代メンバーの変遷を自分なりに表に起こしてみました。ついでによくwikiで見かけるメンバーのタイムラインも作ってみたり。自分も全然音源を集められてないし、まだまだ不明な点も多いので、もし何かご存じの方いたらコメントでもTwitterでもご教授いただければと思います。「自分が見たライブではこんな編成だったよ!」という情報も大歓迎です。

 

 以下参考。(もしくは遺跡)

mixiのデフマスターコミュ。

mixi.jp

 

② もはや定番といえる例のtogetter。

togetter.com

 

③ まだ有能だった頃の2chのスレ。100も行かず落ちてるくせに情報量がえらい濃密で、ごく初期の2ちゃんねるって凄かったんだなぁ…と思うことしきり*1

music.5ch.net

 

m.o.v.e等の活躍で知られるt-kimura氏も、ごく初期にギターで参加していたそうです。ご本人のツイート↓

 

NARASAKI氏率いるバンド、COALTAR OF THE DEEPERS(COTD)*2のファンサイト。最近存在を知ったのですが、バンドメンバーの来歴、ディスコグラフィ、ライブデータ、掲載誌に至るまで、すべてを網羅的にまとめている凄まじいサイトです。1つのグループについてここまで徹底した調査・データ収集を行い、きちんとした形に仕上げる熱意には頭が下がるばかり*3。もちろんDef.Masterについても記述があり、今回の変遷表を作る際も参考にさせていただきました。特にライブデータを追っていくと、Numb、Swamp Terrorists、Foetusの前座を歴任したデフの凄さがよく判ります。

sites.google.com

 

*1:語れる場所がここしか無かったからというのは判るんですが。

*2:ちなみにYU-MI氏はアルバム「The Visitors From Deepspace」にバックボーカルで、「Cat EP」にエンジニアで参加するなど、COTDとは浅からぬ交流があった模様。

*3:いわゆる"国民的グループ"のファンサイトであっても、ここまでやっている例は少ないかと思います。

Def.Master - Thoughts Distorted

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  日本のインダストリアルメタルバンドの2rdアルバム。今作ではオリジナルメンバーだったEBUが脱退し、基本的にはYU-MI一人のユニットとなっています。その他いくつかの曲では、ギターでNARASAKI(Coalter of the Deepers)と藤田タカシ(Doom)、ベースでHIROKI(Media Youth)、ドラムでSHIGEO(Crawfish)、プログラミング&アシスタントでMURAYA(Trance Noise Machine)…という面々が参加している模様。細かく見ていくと、#1,2,4,6は上記のバンドメンバーで、そのほかの曲はYU-MI氏が1人で録音しているようですね。

 

 前作のジャケは「スリーブ+印刷付き透明フィルムの重ね合わせ」という凝った仕様でしたが、本作のアートワークにおけるメタリック印刷もなかなか気合が入ってます。ご覧の通り、蝶の鱗粉で見られる構造色のような独特の粒子感と、光の当て具合で色味が変化する様子が実にカッコいいですね。*1

 

 高速マシンビートでゴリ押しする曲が目立った前作に比べると、やや音楽性に拡大・深化が見られるのが本作の特徴。特にYU-MI氏の単独製作である#3,5では、テクノ的要素がより前面に出てきており、アンビエント的なシーケンスにゴリゴリのベースと砂嵐ノイズギター、そしていつものデス声が被さるという新境地を見せてくれます。1stの頃からエレクトロニクスの比重は大きかった彼らですが、背景音が明確にテクノっぽくなるだけでここまで印象が変わるのか…と驚かされることしきり。ダンサブルな#3などは、ローゼンクロイツ時代の曲"Once Upon A Time"の進化系ともいえるかもしれません。

 

 その他バンド録音の4曲は前作を踏襲した作りですが、比較的音の分離が良く輪郭がはっきりしていた前作と比べ、音が塊となって飛び込んでくるような印象を受けます。音質が悪くなったというより、細かいノイズやサンプリングがギターリフの間にも綿密に織り込まれることで、全体的に情報量が増えたというか。どうもYU-MI氏のインタビューを読むと、1stの時点でこういう音にしたかったのが、マスタリングの段階でノイズ成分が除去されて不本意な仕上がりになってしまったので、今回はそのリベンジ…ということのようです*2。特に#1は前作の1曲目"Are You In"のリメイク版的な曲で、スピード感はそのまま、ギターレスのガバテクノからヘヴィなリフ主体の構成に変貌。同じサンプリング音を使用していても印象がかなり異なります。

 

 このように着実な変化を示した一方で、全ての障害物をなぎ倒しながら暴走していくような独特の疾走感・初期衝動が減退したのは否めない印象があります。ミッド~スローテンポの曲も、ダンサブルな#3以外はそこまで…という感じもあるのがちょっと残念。ダレ気味の#5については、Ministyの「The Dark Side Of The Spoon」を先取りしたかのような妖しさが垣間見えるのが一周回って興味深いですが。あとは先述の音質の変化についても、パキッとした1stかモコっとした2ndか、この辺り好みが別れそうです。

 

 というわけで、Def.Masterでまず聴くべきアルバムは?と聞かれたら1stを挙げてしまう部分はあるものの、こちらも決して見逃せない内容であることは間違いないでしょう(そもそもアルバムを2枚しか残していないので)。入手性の悪さも相まって語られることの少ない気がするアルバムですが、前作が気に入った方なら聴いて損はないかと。

  

Released Year:1996

Record Label:Destroy Method

 

Track Listing

  1. Risky
  2. Kick Back
  3. Thoughts Distorted
  4. Rage
  5. Tell The Truth
  6. Expose
  7. Expose (V.B.mix)

 

 Pick Up!:#6「Expose」

 不気味なシンセ音が鳴り響くミッドテンポなパートと、ガバ的な直線ビートでゴリ押しする高速パートを行ったり来たりするトリッキーな曲。前作の作風に一番近い曲で、やっぱり彼等にはこのゴリ押し感が似合ってるな~と思ってしまうのはファンとして保守的に過ぎるでしょうか。ちなみに#7は同曲のドラムンベース風リミックスですが、個人的にはオリジナルの方が好きです*3

 

*1:写真に撮るときはえらく難儀しますが。

*2:Doll誌96年11月号より。「エンジニアの色が強く出すぎた。他人に任せるのはもうやめようと思った。」とは本人の弁。

*3:V.B.mixとは本人曰く"Violent Beat mix"の略だそうですが、うーんオリジナルの方がヴァイオレントな気が…。

Rosen Kreuz - Volume Max

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  日本のポジパン・インダストリアルロックバンドの3rdアルバム。一部界隈ではDef.MasterのYU-MIとEBUが在籍していたことで有名でしょうか。特にEBU氏についてはこのアルバムからマニピュレーターとしてクレジットされるようになりました。本作は一応ミニアルバムという扱いのようで、#5,6はボートラ扱いとなっています。この2曲は92年の新宿ロフトでのライブで配布された、400枚限定のシングル*1に収録されていた曲のようです。

 

 1st~2ndでは同時期のミニストリーの影響も感じさせつつ、トランスレコード系なポジティブパンク風味を色濃く残していた彼等ですが、本作では大胆なメタル化が進行しています。強烈なタム回しで幕を開ける#1を始め、全体的にギターの重心が低くなり、音圧と低音域が補強された印象。迫力を増したVo.の咆哮も一体となり、聴き手をねじ伏せていくかのような音作りは、まさに"デフマスター前夜"の様相を呈しております。1stアルバム収録曲を再録した#6をオリジナルと比べれば、その変化は一目瞭然でしょう*2

 

  一方、初期に見られた耽美な雰囲気や実験的な側面、つまりポジパン要素はやや後退気味。また、ドラマー不在で初めから打ち込み主体の曲構造をとっているDef.Masterとは違い、こちらはあくまでもバンドサウンドが主体ですので、ギターノイズが前に出た分、打ち込みが目立ちにくくなっている節はあります。そのため、全体的な冷徹さ、インダストリアル感という意味では物足りないという人もいるかもしれません。とはいえ#4のように、清涼な浮遊感を感じさせるアンビエントハウス調の曲もサラッとこなしてしまう辺り、メタル一辺倒に留まらないセンスを感じます。激しい曲が続く中で、この曲はアルバム中の良いアクセントになっていますね。

 

 全6曲・22分というコンパクトさゆえのボリューム不足は否めませんが、デフマスターのファンなら押さえて損はないアルバムでしょう。高騰しがちな2ndに比べると、1stとこの3rdは比較的安く出回っているようですので、気になった方は是非。

  

Released Year:1993

Record Label:Zazzle Records

 

Track Listing

  1. Metal Duck
  2. The Spider
  3. So What!
  4. Once Upon A Time
  5. Madman's Revenge
  6. Decay The Body

 

 Pick Up!:#2「The Spider」

 本作の中ではエレクトロニクスの活躍が目立つインダストリアルメタルな1曲。シーケンス的な電子音とガチャガチャしたメタルパーカッションが、猪突猛進なリフの性急さに拍車をかけていてグッドです。

*1:こんな感じのミニCDだった模様。→Rosen Kreuz – The Crack Edge Monsters (1992, CD) - Discogs

*2:個人的には、マシーナリーなエレクトロノイズが前に出たオリジナルも捨てがたい魅力がありますが。

Test Dept. - Atonal & Hamburg "Live"

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 英国が誇る鬼パーカッション軍団、Test Dept.のライブ盤。全て1985年の録音で、前半4曲がドイツの音楽フェス『Berlin Atonal』*1出演時の録音、後半3曲がハンブルグでのライブの録音です。リリースは(エンヤ化する前の)初期DeleriumやControlled Bleeding、Chromeなどを出していた、Dossierというドイツのレーベルから*2

 

 80年代の彼らのライブ音源には、本作以外にもう1つ「Ecstacy Under Duress」というアルバムが存在しますが、あちらは82~83年の録音ということで「Beating The Retreat」からの曲が中心。したがって、彼らの代表作であり最もテンションが高かった「The Unacceptable Face Of Freedom」前後の公式ライブ音源はこれが唯一です。そういう意味でマニアにとっては見逃せないアイテム。

 

 中身はまさに、全盛期のTest Dept.の迫力を見事に切り取った内容となっています。やはりこの人たちの音楽性はライブの方が映えるというか、演者のボルテージが高まるようですね。特に後半3曲の迫力は、スタジオ音源を遥かに凌駕していますし、全7曲・40分とコンパクトなのも個人的によし。こういう音楽性で延々70分とか聴かされてもこっちが疲れてしまうので…(オイ)。選曲の面でも、自主製作カセット*3から2曲、「Beating The Retreat」から3曲、「The Unacceptable Face Of Freedom」から2曲とバランスが取れています(欲を言えば、これに"Compulsion"が加わっていれば完璧だった…)。

 

 レーベルがどマイナーなせいで入手はやや難しいですが、探す価値のある内容だと思います。意外とTest Dept.入門にいいかも(?)。オススメです。

 

Released Year:1992

Record Label:Dossier

 

Track Listing

  1. The Fall From Light
  2. Total State Machine
  3. Shockwork
  4. Gdansk
  5. Kick To Kill
  6. Fist
  7. 51st State Of America
 

 Pick Up!:#7「51st State Of America」

 自国(英国)を指して「ここはアメリカの51番目の州だ」と歌に乗せて皮肉ったのはThe Theのマットジョンソン*4でしたが、こちらはもう皮肉どころか徹頭徹尾マジギレしております。このパーカッション乱れ打ちは、血管切れるどころか掌の皮とか心配になるレベル。コラコラ、お決まりの皮肉のセンスはどこへ行っちまったんだいジョンブル(英国人)…というツッコミはまぁさておき。

*1:近年も開催されている息の長いフェスのようです。今は完全にテクノ系イベントと化しているようですが。Berlin Atonal〜原点に回帰し、未来を憂うベルリン・サウンドの本懐〜 – FLOOR

*2:変わりダネだと、へなちょこゴシックパンクだった頃のマイブラの1stをCDでリイシューしたのもここだったり。

*3:あまり知られていませんが、初期にこういうのを出してたりします→Test Dept. – History (The Strength Of Metal In Motion) (1982, Cassette) - Discogs

*4:The Theの"Heartland"という曲を参照の事。→https://www.youtube.com/watch?v=fPSO8pdAX6c