Numb - Language Of Silence

 

 カナダのエレクトロ・インダストリアルユニットの6thアルバムにして活動休止前の最終作。この作品とシングル「Suspended」を出した後、翌1999年にNumbは解散。Don Gordonは2000年にHalo-Genという別名義で1枚アルバムを出すも、ほどなくしてベトナムへ移住。以降20年に渡って沈黙してしまいます。

 

 5thアルバム「Blood Meridian」のレビューでも述べたとおり、実は先にレコーディングされていたのは本作。どうも当時の所属レーベルKK Recordsとの"legal issues"(ボツを喰らった?)があったようで発売が出来ず、急遽「Blood Meridian」が制作されました*1。その後KKとのトラブルもありレーベルをZoth Ommogに移したことで、お蔵入りしていた本作も一部手直しのうえ*2無事発売と相成ったようです。そのため前作から1年足らずという非常に短いスパンでのリリースとなりました。

 

 というゴタゴタを経た本作、幾重にも重ねられたレイヤー処理や綿密なサンプリング、サイバーな音作りはFLAの「Hard Wired」を彷彿とさせるものがありますが、大胆にトランスやテクノイズへ接近していた前作と比べると全体的にマイルドで地味…という印象が先行します。しかし聞き込んでいくとこれがなかなかスルメ盤。ダブ的な要素もある#3は最初長くてタルいだけだったんですが、サビのボコーダーの美しさ(使い方がSkinny Puppyの"Worlock"のよう)に気付いてからは結構楽しめるようになりました。これはインスト曲#8,10も同様で、宇宙を思わせるような独特の浮遊感(それでいて不気味かつ不穏なのは流石)は本作の持ち味の1つと言えそうです*3

 

 また#4や#6など、ハイテンポなドラムンベース的要素の導入もこの時点で試みがなされており、この辺りは「Blood Meridian」の方でさらに昇華されていきます。当然Numbお得意の粘着質・吐き捨てボイスな曲も#1,5,7,9など健在。前作ほどの強烈なノイズ処理はありませんが、そのぶん新ボーカルDavid Collingsのパワフルな仕事ぶりがよく判る感じです。

 

 攻撃的でノイジーな作品の後に、大人しめだけど構成力で魅せる作品が続くのは3rd「Death On The Installment Plan」/ 4th「Wasted Sky」の時を思わせますが、あちらがやり切った後の新路線模索だったのに対し、今作は次回作(であり前作)「Blood Meridian」へ至るまでの過渡期という印象。しかしインパクトは弱めながら総じてクオリティは高く、90年代後半のサイバーなインダストリアル系が好きな方にはお勧めできる作品です。最新作「Mortal Geometry」はほぼ本作の延長線上にある音ですので、そちらから入ってきた方も是非。

 

Released Year:1998

Record Label:Zoth Ommog, Metropolis

 

Track Listing

  1. Respect
  2. Suspended
  3. Deviation
  4. Illumination Rounds
  5. No Remorse
  6. Closer
  7. Defiler
  8. Benthos
  9. Immolate
10. Distorted Relations

 

 Pick Up!:#2「Suspended」

 本作の中では群を抜いてノリノリでキャッチーなラストシングル曲。デジタルシンセとサビで登場するギターリフの絡みはベタですが、否応なくテンションをブチ上げてくれます。ちょっとCubanateっぽい雰囲気も感じますね。Don Gordonは活動初期から一貫して、この手の「シンプルだしヘヴィでもないけど、とにかくフックの強い切れ味のあるギターリフ」を作らせたら天才だな~とつくづく思います*4。本人も「元々はギタリストだからね*5」と言ってますし。

 

*1:ソースはこちら→Interview: Numb - 5/7/98 

*2:ライブ映えしない曲はボツにした、と上記インタビューで語っています。

*3:#8のタイトルは"(水中の)底棲生物"を意味するので浮遊とは無縁なんですが。

*4:"God Is Dead"や"Right..."といった曲に顕著ですね。

*5:ソースはここ→Band Interviews Numbを始める前にやっていたシンセポップバンドImage in Vogueのこと。このバンドにはSkinny PuppyのcEvin Keyもドラムで参加していました。

Numb - Blood Meridian

 

 カナダのエレクトロ・インダストリアルユニットの5thアルバム。94年の4th「Wasted Sky」のリリース後、ボーカルのConan Hunterが脱退。新たにDavid Collingsが加入します。この体制で95年には来日も果たし、その模様は日本限定のライブ盤「Koro」として発売されました。その後、インダストリアル系アーティストたちによるカヴァー作品集のコンピ「Operation Beatbox」や「TV Terror」への曲提供を挟み、満を持してリリースされたのが本作。前作から3年越しのフルレングスです。

 

 と言いつつ、このアルバム自体は非常に短期間でレコーディングされた模様。実は先行して別のマテリアルを新作として出す予定だったのが、KK Recordsとの"legal issues"により発売ができない状態に。当初のリリース日に間に合わせるために、急ピッチで制作されたのが本作…ということのようです*1。ここでお蔵入りした音源は、その後6thアルバム「Language Of Silence」としてリリースされることになります。

 

 そういった背景だけみるといかにも間に合わせの中途半端な作品が出てきそうですが、なんとこれが大傑作。冒頭#1のイントロからもわかるように、全体的に当時勃興していたテクノイズ/リズミックノイズの影響を感じる、無機質で耳が痛くなるような電気ノイズが牙を剥いています。同時に、サイケデリックトランスやドラムンベースと言った流行のサウンドもしっかり取り入れており、前作までのボディビート×ノイズギターの有機的で生々しいインダストリアルから、一気にデジタルでサイバーなエレクトロ・インダストリアルへと変貌。まさに白基調のアートワークにふさわしく漂白された、殺菌作用すらありそうな仕上りです。

 

 そんな無機質でデジタルな音作りでありながら、David Collingsの怨嗟に満ちたボーカルが乗ることで強烈なオブセッションを感じさせる仕上がりとなっているのが素晴らしい。特に#1,2,4,5のような曲でのウィスパーと咆哮のコントラストには圧倒されるものがあります。歴代のボーカリストにも負けない凄まじい迫力。

 

 Numbはアルバムにおけるインスト曲の比率が高くて取っ付きにくい部分もあるのですが、本作は全編通じて緊張感をキープしており、フックもはっきりしているので音像のわりにはキャッチーだと思います*2。6分越えの曲がほとんどだったりして尺は長いのですが、あまりダレることなく聴き通せるのは素晴らしい。特にトランスを取り入れた#1,5のダンサブルな展開はまた一つ殻を破った感じです。まさに「Death On The Installment Plan」と双璧をなす、後期の傑作と言えるでしょう。

 

Released Year:1997

Record Label:KK Records, Metropolis

 

Track Listing

  1. Blind
  2. Dirt
  3. Blood Meridian
  4. Stalker
  5. Desire
  6. Critical Mass
  7. No Time
  8. Alien Hand
  9. Deserted
10. Spasm

 

 Pick Up!:#4「Stalker」

 Numbお得意の粘着質なミッドテンポ曲。ヒップホップ的な撥ねたビート感と、陰湿な脅迫ボイスの絡み合いも素晴らしいのですが、サビで壁のようにせり上がってくるシンセとブチギレロングトーンシャウトの迫力がもう大好き。やはり彼らはこういう曲で真価を発揮しますね。

*1:ソースはこちら→Interview: Numb - 5/7/98 

*2:本人たちも上記のインタビューで「曲構造はとてもポップ・オリエンテッドだ」.と言ってますし。

Blok 57 - Blok57

  The KlinikやDiveでの活動で知られるDirk Ivensと、ベルジャンEBMユニット: Vomito Negroの初期メンバーだったGuy Van Mieghemの2人によって結成された、Blok 57の1stアルバム。

 

 このDirk Ivensという人、同時期のDive名義では後のリズミック・ノイズにつながるような激烈ビートインダストリアルを奏でていましたが、このBlok 57では比較的真っ当なEBMをやっております。今作はLeæther StripやPsychopompsをはじめ、ダークなEBM・インダストリアルメタルのグループを多数擁していたZoth Ommogからのリリースということで、それも頷けるところ。

 

 基本的にはKKレコード時代のVomito NegroやInsekt*1の延長線上にある音という感じで、地を這うような重苦しさを内包した硬派なEBMです。よく言えばハードでストイック、悪く言えば地味で愛想無し…といったところ。時々ハーシュノイズが顔をのぞかせるあたりもDirk Ivensの息を感じます。とはいえ絶対零度・強迫観念まみれのDiveに比べればわりと躍動的でポップですが。

 

  Joy Divisionの"Isolation"と並んでEBM界隈のクラシックとして人気がありそうな、The Normal=ダニエル・ミラーのカバー#4*2や、この人たちには珍しく(当時流行りの)インダストリアルメタルに目配せをしたような#8などもあり、マニアックながらなかなか捨て置けないアルバムです。個人的には肉厚なハンマービートとメタパーの掛け合いが楽しい#3がお気に入り。とにかくDiveやVomito Negro、Insektが好きな方なら問題なくハマれる音でしょう。無駄にレア化しているので、見つけたらマストバイです。

  

Released Year:1992

Record Label:Zoth Ommog / Cleopatra

 

Track Listing

  1. Nerve Damage
  2. There's Nothing Real
  3. Fuck You
  4. Warm Leatherette
  5. This Is Not America
  6. Hypnosis (Dubmix)
  7. Burn Baby Burn
  8. Blok 57
  9. Homecoming
10. Crush (Softmix)

 

 Pick Up!:#9「Homecoming」

 本レビューのために聴き直していて気付いたんですが、これDiveの「We Rule The World」ですね。歌詞は違うものの節回しとリズムがそっくり。Vo.もDirk IvensのハーシュボイスなのでDiveをそのままEBM化したような雰囲気です。意識的にセルフカバーしたのか単なる手癖なのか何とも言えないところですが…。

*1:こちらも元Vomito NegroのメンバーがやっていたEBMバンドです。

*2:Pankowのカバーが有名ですね。

Dessau - Dessau

  アメリカのEBM/インダストリアルロックユニットのコンピレーションアルバム。このバンドは80年代後半のEBMブームに乗って何枚かシングルをリリース後、1stアルバム「Exercise In Tension」を発表。しかしその後6年ほどブランクを挟み、すっかりEBMも廃れた95年に2ndアルバム「Details Sketchy」を出しましたが後が続かず解散してしまいました。このコンピは2ndアルバムの後、バンドの軌跡を総括するベスト盤的アイテムとして出たものです。88~90年のシングル収録曲(#2,5,11,12)、1stアルバム「Exercise In Tension」の曲(#4,6,8)、そして1stアルバム後にレコーディングされながらもお蔵入りしていた未発表曲(#1,3,7,9,10)をまとめた、お得な1枚。基本的には彼らの特徴である「分厚いドラムマシンと主張強めなベースライン+野郎の野太いシャウト」というカラーで統一された良作です。

 

 どうも彼らはミニストリーと色々交流があったようで、バンドの代表曲であるJoy Divisionのカバー曲のプロデュースや、#12のリミックス等にアルさんやポール・バーカーがクレジットされています。特に5曲の未発表曲については、ポール・バーカーをプロデューサーに迎えてアルバム制作をしていた時の音源ということで、明らかに"インダストリアルロック"を志向したようなアレンジが目立ちます。しかし#1,7のようにゴリ押し・縦ノリをうまく昇華した曲がある一方で、イマイチ煮え切らない#3,10のような曲も見受けられ、この辺がお蔵入りした原因かなと。とはいえ、元々「Killing JokeEBM(=パンク上がり)」の代表格として名が挙がるようなグループですので違和感は少なく、この重さと勢いを武器にもっと早くアルバムを出せていれば、もう少し成功できたのでは…と思わずにはいられません。*1

 

 というわけでやや資料的側面の強い作品ではありますが、1stと2ndの間を埋めるミッシングリンクと考えると見逃せないアイテムかと思います。出てくるときはバーゲンセール価格で落ちてますので見かけた際は是非。

 

Released Year:1995

Record Label:Mausoleum

 

Track Listing

  1. Suffer
  2. Thanksgiving
  3. Spinning On My Head
  4. Move Seoul
  5. Skeletons By Nature
  6. Isolation
  7. Cull
  8. No Way
  9. Sun 90
10. Party Zone
11. Beijing
12. Unshakeable Remix

 

 Pick Up!:#5「Skeletons By Nature」

 88年のシングル「Mad Hog」のA面表題曲。ほんのりニューウェイブ風味でメロウなシンセと、ドスドスとやかましリズムマシンの組み合わせが何とも癖になる曲。随所で挿入されるメタパーもいい仕事してます。このシングルからの3曲(#2,5,12)はKilling Joke風、王道EBM、カオスなリミックスと三者三様に完成度が高く、どれも非常にオススメです。

*1:どうもレーベルと揉めたらしいというのも1つの原因ではありそうですが…

Sielwolf - Nachtstrom

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 ドイツのインダストリアルバンドの2ndアルバム。元々は93年にCashbeatというドイツのレーベル*1からリリースされていたアルバムを、同じくドイツのVan Richterというレーベルが97年に米国向けに再発したもの。オリジナルは全13曲、70分超えのボリュームだったのですが、再発に当たって収録曲が整理され幾分コンパクトになっています。ここで外された曲は、同時にVan Richterから再発されたシングル「Magnum Force」に追加されているので、そちらと併せて聴くことでコンプできます。ちなみにプロデュースは元YelloのCarlos Perón*2。ジャケット写真はカルト映画「ヴィデオドローム」のワンシーンからの引用です。(これは「Magnum Force」も同様。)

 

 90年代のインダストリアル・シーンでは、EBMを出発点としつつも、よりノイジーさを強めて独自の暗黒世界を構築するグループが存在していました。先駆者であったSkinny Puppyの沈黙以降も、その遺志を引き継ぐかのように、カナダのNumbやDecree、ベルギーのDive/Sonarなどが頭角を現しています。これらのグループが提示したサウンドは、その後ミニマルなテクノと結びつき、"リズミックノイズ/パワーノイズ"あるいは"テクノイズ"などと呼ばれるようになりました。

 

 そして今回取り上げるこのSielwolfは、あくまでロックバンドの形態をとりつつも、そういったユニットと同じベクトルの暗黒世界を志向しているように思えます。Van RichterのHPに掲載されているバイオグラフィーでは"METAL NOISE"という表現をされていました*3が、まさに"ノイズ・メタル"にあらず"メタル・ノイズ"としか呼べない、「ハーシュノイズ/ダークアンビエント主導のメタルバンド」という異形の悪夢的音像を見せてくれます。

 

 とにかく1音1音の重みと圧が凄いのなんの。アルバム序盤こそ、無慈悲なリズムマシンの反復で強制的に躍らせる#1や、超重量級サウンドで狂気へひた走る#2など、比較的キャッチーな縦ノリの曲もありますが、むしろ彼らの本領発揮は3曲目以降。強力な音圧でビリビリと唸るベースに、サンプリング音や金属音、そしてハーシュノイズが幾重にも重ねられたメタル/ダーク・アンビエントが展開されます。特に#4は、工場内部を思わせるドゥーミーな前半から一転、鉈のように振り下ろされるギターと削岩機と化した鉄槌ビートが襲い来る、まさにメタル・ノイズな一曲。

 

 さらに10分越えの#6は、廃墟でフィールドレコーディングしたような環境音から始まり、じわじわとノイズの壁が押し寄せ、その中にホラー映画のスコア由来とおぼしき不穏な旋律が聴こえてくる瞬間がたまらなくカタルシス。こういったアンビエント調の曲はほとんどPrurientやRamlehの域で、もはやバンドらしさといったものは完全に皆無です。一方、箸休め的な浮遊感を醸す#8では、ひんやりシンセに突然EBMっぽいシンセベースが飛び出すなど引き出しも多く、ノイズ一辺倒で飽きさせることがありません。

 

 先述したVan RichterのHPには本人たちへのインタビューも多数掲載されており、いわく中心人物の1人は5年ほど精神科に分析医として勤務していた経験がある模様。インタビュー中でも「自分たちの音楽はサイコハイジーン(Psychohygiene:精神衛生学)のようなもの」と繰り返しており、闇を抱えすぎて心が壊れる前にそういったものを吐き出し、取り除いていく一種のセラピーのようなもの…と説明しているようです*4

 

 ネット上のレビューではNeubauten×Godflesh、的な紹介をされることが多いようですが、どちらかと言えばメタルを取り入れたPrurient、ぐらいの方が近いと思います。とはいえこのバンドの強迫観念の凄まじさと、静/動のコントラストの過激さはちょっと他に思い当たるグループが無く、簡単には模倣も追従もできない異端のグループであることは間違いないです。CDもそこまで入手難ではないようですし、Bandcampでも配信されてますので*5、インメタ好きにもパワエレ好きにもこれを聴かずして死ぬな!と触れて回りたい1枚。超オススメ。

 

Released Year:1997

Record Label:Van Richter

 

Track Listing

  1. Korrosion
  2. Verstärker Zerstört
  3. Embryo
  4. Nachtstrom
  5. Brushed Steel
  6. Freitag (1:54)
  7. Embryonal
  8. Vengessen
  9. Ghost Track

 

 Pick Up!:#2「Verstärker Zerstört」

  爆発音をサンプリングして加工したような圧搾ビートと、耳をつんざくハウリングノイズ&メタパーで構築されたリフレインで掴みは完璧。疾走する演奏とチェーンソーのサンプリング、そして狂気の形相で喚き散らすしゃがれヴォーカルが絡み合い、果てしなく暴走する重戦車のような迫力が凄まじいです。ある意味で本来のインダストリアル・ミュージックの趣旨に忠実な、"正しくインダストリアル・メタルしている曲"ともいえるでしょう。冒頭にMCらしい声が入ってますが、もしかしてライブ録音なんでしょうか?

*1:初期のKMFDMやSwamp Terroristsの作品もここから出ていました。

*2:この縁があってか、Carlos Perónのソロ作品にSielwolfがリミックスを提供したりもしています。

subculturerecords.bandcamp.com

*3:出典:https://vanrichter.net/siel_bio.html

*4:出典:https://vanrichter.net/interviews/siel9_int.html 「歯医者に行くハメになる前に毎日歯を磨くようにね」などとのたまっていますが、いや、君らの"歯磨き"重すぎでしょ…

*5:Van Richter公式にもありますが、オリジナルの曲順かつCarlos Perónがリマスターしたバージョンも別で配信されているようです。

subculturerecords.bandcamp.com

2021年の良かった新譜

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 2020年までは純粋にその年購入したものを列挙していましたが、2021年は13枚ぐらいは買ってたのでその中から抜粋で。何とか年度末には間に合わせた…(間に合ってはいない)

 

①Valuemart - Alice Underground

detritirecords.bandcamp.com

 Daisと並び気焔を上げるベルリンのダークウェイブ系レーベル、Detriti Recordsよりデビュー作。以前紹介したWisteriaにも通ずる"泣き"のダークウェイブですが、このグループはやや生音多めのバンドサウンド寄りな音楽性です。#1のタムの使い方などはモロに「Pornograhy」の頃のキュアーのそれ。ジャケのイメージも心なしか似てる?

 

②Choke Chain - Endless Death / Invoking Shadows

chokechain.bandcamp.com

 米国ウィスコンシン州を拠点とするハーシュEBMユニットの2ndEPと3rdEP。デビューは2020年ですから、1年半ほどの間にEPを3枚となかなか精力的に活動しています*1。その方向性は一貫しており、まさにLeaether Stripの再来と言っても過言ではないダーク・エレクトロ系のボディを鳴らしていて好感が持てます。まだアレンジの幅に物足りない部分はあるものの、90年代に跋扈した有象無象のダーク・エレクトロ系よりは遥かにハイテンションで良質な仕上がり。去年はBlack MagnetというKlute直系のフォロワーが出現して歓喜に震えていましたが、続いて本家レザストのフォロワーまで現れるとは思っても見ず、主に私だけ盛り上がっております。今後の活動が楽しみですね。

 

③Donna Haringwey - Venal

strangetherapy.bandcamp.com

 ベルリンを拠点に活動する1人ユニットのデビューミニアルバム。アムステルダムのStrange Therapyというレーベルからのリリース。これがSkinny Puppy+Foetus+Danny Elfman+ダブステップ…みたいな恐ろしい代物です。パピー(というよりサイドPのDownloadに近いかも)特有の変則ビートとノイズに、ジムフィータスを思わせるハイテンションで気色悪い金切り声が重なる異様さは、もはや圧巻通り越して絶句。そのうえ、聴きやすい捻れたポップ感すら備えているという絶妙なバランス感覚。#1 "Confused Johnny"や#4 "Funky Moolah"の撥ねたボディビートと強烈なヴォーカルチョップのコンボを是非体感してほしいですね。21年で一番衝撃的だった作品。

※この記事を書いてる間に、21年9月にフルレングスが出ていたことに気付きました。これから聴きます…

 

④Primitive Knot - Fight The Future

primitiveknot.bandcamp.com

 以前紹介したコラボバンド、TRIALの片割れがやっているインダストリアルメタルバンドのアルバム。これがTRIALに負けず劣らず素晴らしい快作でした。ザラザラとしたノイズ交じりのギターサウンドはTRIALと同じですが、速さ重視のスラッシュというよりはミッドテンポのオルタナっぽいリフが多い印象。こういう音はすぐにGODFLESHと結びつけられそうだけど、どちらかと言えばジャスティンが昔ドラムを叩いてたHead Of David*2の音に近い気がしています。タイトル曲#3の疾走感と王道なギターリフ*3が鬼カッコいいので是非これだけでも聴いてみて欲しいところ。

 

⑤DIE KRUPPS - Songs From The Dark Side Of Heaven

diekrupps.bandcamp.com

 相も変わらず精力的に活動を続けるクルップス、今回は丸ごとカバーアルバムです。元ネタはやはりEBM中心かと思いきや、QueenやBlue Öyster Cult等、本人たちが少年時代に聞いていたであろうグループまで引っ張り出してきたりと、なかなか多彩。基本はいつものクルップス節なボディ色に染め上げられていますが、Gang Of Fourのカバーではアンディ・ギルの"あのギター"をかなり忠実に再現しているのが面白いです。しかもドラムはKJのポール・ファーガソン(!)。

 

⑥TRIAL - COLOURVOID

trialthrash.bandcamp.com

 PKが新譜出したと思ったら、こっちも待望のフルレングスが出ました。#1こそデビューEP同様にバリバリのスラッシュメタルですが、それ以降(特に#2と#7)よりニューウェイブ的でメロディアスというか、音にまろみが出てきた感じです。最初はちょっと戸惑ったんですが、聴いてるうちにこれはこれでアリ…と思うようになりました。この"ハード・ニューウェイブ"みたいなサウンドKilling Jokeの「Democracy」辺りに近いものがあるかも。頑なにデス声でメロディ歌おうとするところとか。

 

⑦Tayne - Coherent EP

tayneband.bandcamp.com

 ロンドン出身の1人ユニットのEP。リミックスにJesuが参加していることからも窺えますが、シューゲ的な浮遊感・透明感とハードコア・インダストリアル的な激しさを併せ持つタイプのサウンドです。クリーントーンかつ線の細いVo.も印象的。この手の音は個人的にそこまでピンと来ないことが多いのですが、本作はタイトル曲#3のスピード感が気に入って購入。Jesuのリミックスもオリジナル以上に泣きメロ全開でよし。

 

⑧V.A. - Unification Of Harsh Realities Vol.1

nim-tapes.bandcamp.com

 Bandcampを彷徨っていてたまたま見つけたレーベル、N.I.M Tapesのコンピ。スコットランドのハーシュEBM系レーベルらしいのですが、全然情報が無くて謎。9曲目のEthan Fawkesが、ガバテクノを思わせる高圧的なビートとメタパーを織り交ぜた最高な音を鳴らしていたので購入。インスト系が多い中ヴォーカルがしっかりあるのも高ポイントです。ほかのグループもChoke ChainやVomito Negroを想起させるOld School Harsh EBMでたいへんよくできております。

 

⑨Noise Unit - Deviator

noiseunit.bandcamp.com

 クルップスと並び精力的に活動を続けるFLAですが、ここに来てまさかのNoise Unit復活。しかしPIGのレイモンドワッツ参加と聞いて、"例のジンクス"が頭をよぎりもしましたが、蓋を開けてみると…まぁ可もなく不可もなくといったところでしょうか。またしてもDAFのカバーか?と一瞬疑ってしまうようなタイト感のある#2や、ワッツ参加でギターまで登場し完全にKMFDM/PIG化している#5などは緊張感があってgood。ただアルバム後半がダレ気味なのが惜しい。それでもFLAの「Mechanical Soul」よりは全然良いです。

 

⑩Vomito Negro - Entitled

mecanica.bandcamp.com

 2010年に復活してから早10年目を迎える、ベルジャンEBMの重鎮(デビューは85年)による新作。本作は80年代のアウトテイクを基に、わざわざ当時使っていた機材(アナログシンセ)でリアレンジ・再録音をしたものだそうで。とはいえ復活後の作風は良くも悪くも金太郎飴状態なので、本作も安心して聴けるダークなEBM/ニュービートに仕上がっています。同期のベテランたちがサウンドを現代風にアップデートしていく中、生きた化石の如くスタイルを変えない(それでいてクオリティを維持している!)彼らの存在は本当に貴重。22年夏には新作もリリース予定とのことで、これからも末永く頑張ってもらいたいですね。

 

 その他にもFLA、Youth Code、Pop. 1280の新作も購入してましたが、個人的にはそこまでピンと来なかったなぁ…というのが正直な所。Pop. 1280については曲単位では気に入ったものもあったので、もう少し聴き込んだら評価が変わるかもです。

 

※オマケ

optimomusic.bandcamp.com

 JD Twitch主宰の復刻専門レーベル「Optimo Music Archiv」より、初期KK Recordsに所属していたベルギーのEBM/ニュービートユニット、The Force Dimensionがリマスター再発されていました。前に当ブログで紹介したFatal Morganaにも似たベルジャン・ニュービートで素晴らしい内容ですので、こちらも是非。

*1:昨年6月には、1stEPと2ndEP+αをコンパイルしたLP盤もリリース。→CHOKE CHAIN - DEATH TACTICS | COLD EXPERIMENT

*2:"Dog Day Sunrise"はフィアファクがカバーしたことでも有名。

*3:最近気づきましたが、このリフはもろにサバスの"Symptom Of The Universe"ですね。

EBM(エレクトロニック・ボディ・ミュージック)を聴くならまずはコレ!な入門用リスト

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 今回は基本に立ち返って、「最近EBMって言葉を知ったけど、どういうジャンル?何から聴けばいいの?」という方のために、入門にふさわしいであろう代表的なグループと、その名曲・名盤をセレクトしてみました。とりあえずこの辺を一通り押さえておけば、今日からあなたも立派な"EBM通"です。

 

そもそもEBMって何?

 Electronic Body Music、略してEBM。80年代後半から90年代前半にかけて勃興したこのジャンルを一言で説明するのはとても難しいのですが、個人的には「テクノみたいなロック、もしくはロックみたいなテクノ」と解釈しています。すなわち、「無機質で強迫的なビート」「ブリブリと肉感的なシンセベース」「ざわざわしたダミ声ボーカル」「各種ノイズや金属音」といったパーツを駆使して、"80年代まで"のエレポップやテクノポップよりも"凄み"を効かせた電子音楽。結果、テクノというには生々しいし、ロックというには電子的すぎる…*1という不思議なジャンルが誕生したわけです*2

 と書いても伝わりにくいと思うので、こんな駄文はさっさと飛ばして実際の音源を聞いてみましょう。

 

 

Ministry (アメリカ)

Over The Shoulder (1986年/2ndアルバム「Twitch」に収録)

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 いわゆる「インダストリアルメタル」の代表格としても有名なグループですが、活動初期はギターを使わず電子音中心のEBMをやっていました。EBMというジャンルの音を定義したともいわれる作品ですので、入門にまず1枚選ぶならこの「Twitch」からどうぞ。一般的なテクノとは違うプリミティブな重量級ビートと、リズミカルな金属音*3に注目してみてください。

 

You Know What You Are (1988年/3rdアルバム「The Land Of Rape And Honey」に収録)

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 「Twitch」の次に出たアルバムから。この頃からギターも使い始めて「インダストリアルメタル」というジャンルが生まれた…とも言われていますが、アルバムの後半はこんな感じのEBMが主体だったりします。ボーカルのエフェクトをはじめ、上の曲と比べて音が攻撃的・狂気的になってきていますね。1枚でインダストリアルメタルとEBMを2度楽しめますので、この3rdアルバムもオススメ。

Ministryが気に入ったら…
Revolting Cocks - 38

 

Front 242 (ベルギー)

Headhunter (1988年/4thアルバム「Front By Front」に収録)

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 こちらもEBMの代表格としてよく登場するグループ。「エレクトロニック・ボディ・ミュージック」というジャンル名の名付け親としても広く知られています。口ずさめるようなキャッチーさを持つこの曲は、当時EBMとしては異例のヒットを飛ばし、彼らの代表曲となりました。シュールなPVにも要注目。

 

Tragedy (For You) (1991年/5thアルバム「Tyranny (For You)」に収録)

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 「Front By Front」から3年ぶりに出たアルバムの先行シングル。先ほどの曲に比べて、ややダークで神経質な音になりました。とはいえ持ち前のポップさは失われていないので、むしろこっちの方がカッコいい!という方もいるかも。(自分はそのパターンでした。)そしてPVのシュールさは相変わらず。

Front 242が気に入ったら…
A Split-Second - Mambo Witch

 

Nitzer Ebb (イギリス)

Let Your Body Learn (1987年/1stアルバム「That Total Age」に収録)

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 タイトなドラムとデケデケと地を這うシンセベース、そして漢臭い熱血シャウトだけで突っ走る、まさに肉体(ボディ)重視系EBMの代表格が彼ら。PVからも判る通り、引き締まった筋肉を想起させる、性急でストイックな音が特徴です。実は後世のテクノへの影響も大きく、ハードミニマルと呼ばれるジャンルの源流になったとも言われています。

 

②  Violent Playground (1987年/1stアルバム「That Total Age」に収録)

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(スタジオ音源が上がってなかったのでライブ映像を。)

 こちらも同じ1stアルバムから、彼らの持ち味である性急さがよく表れた1曲。耳に残る『カンカンカカンカ カンカンカカンカ』というメタルパーカッションは、後述するSOFT BALLETが"OPTIMAL PERSONA"で、BUCK-TICKが"ICONOCLASM"でそれぞれ引用するなど、日本のバンド群への影響も見逃せない点です。

 ちなみに、石野卓球氏が敬愛するDAFもこのグループと同じ系統。というより、DAFの音楽性を丸パク…もといアップデートしたのがNitzer Ebb、という認識でOKです。

Nitzer Ebbが気に入ったら…
DAF - Der Mussolini

 

Die Krupps (ドイツ)

The Machineries Of Joy (1989年/ベストアルバム「Metall Maschinen Musik: 91-81 Past Forward」に収録)

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 1980年結成の古株ながら、2021年現在も現役バリバリの重鎮。初期はDAFと同じく「ジャーマン・ニューウェイブ」と呼ばれるような音楽性でしたが、その後EBMを経て、ミニストリーのようなインダストリアルメタル*4へと進化していきました。ここ最近はアルバムごとにEBMとメタルを行ったり来たりしています。

 この曲は一時の活動休止を経て復活した際のシングル。先ほど紹介したNitzer Ebbがゲスト参加しているので、仕上がりも似通った雰囲気ですね。

 

High Tech / Low Life (1992年/3rdアルバム「Ⅰ」に収録)

www.youtube.com

 3rdアルバムのリードトラック。この頃から徐々にギターを導入してメタル化の気を見せていきますが、この曲ではまだEBM要素が支配的です。イントロから流麗なシンセの音が耳を惹きますね。ちなみに3枚目なのに「Ⅰ」なのは、活動再開後の1枚目だから。本作に続くアルバムが「Ⅱ」「Ⅲ」と3部作になっていて、時代が下るごとにHR・HM色が強くなっていきます。

Die Kruppsが気に入ったら…
Tommi Stumpff - Le Chien Andalou

 

KMFDM (ドイツ)

More & Faster 243 (1989年/3rdアルバム「UAIOE」に収録)

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 ミニストリーと並びインダストリアルメタルの代表格として知られているKMFDMも、初期は比較的素朴なEBMをやっていました。彼らの特徴といえば、音楽性の根底にレゲエ・ダブの色濃い影響があるところ。女声コーラスの参加が目立つこの曲もそうですが、どこかソウルフルな"黒さ"を有しているのが他のEBM系グループと大きく異なる点です。

 

Liebesleid (1990年/4thアルバム「Naïve」に収録)

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 このアルバムの前後から活動拠点をドイツからアメリカに移した関係で、音楽性もハウスやメタルを取り入れたりと少しずつ洗練されていきます。イントロから雷鳴のような打撃音が目立つこの曲は、ギターを導入しつつもEBMらしくパーカッシブで"ビート至上主義"な面を残した、初期の名演です。

KMFDMが気に入ったら…
Tackhead - What's My Mission Now?

 

Front Line Assembly (カナダ)

Iceolate (1990年/5thアルバム「Caustic Grip」に収録)

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 よく「FLA」という略称で呼ばれるこのグループの持ち味は、しばしば"強迫神経症的"とも形容される緻密なプログラミングと、軍靴の音を思わせる高圧的なキック。特にこの「Caustic Grip」は、EBM界を代表する強力な名盤として、マニアの間で名高い作品です。

 

Paralyzed (1995年/8thアルバム「Hard Wired」に収録)

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 やや時代が下った95年作「Hard Wired」からの1曲。本人の経験値と機材面の進歩の賜物か、圧倒的に"分厚い"モダンな音になっているのが判るかと思います。彼らは色々と音楽性を変えながらも一貫してサイバーパンク的な作風を有していますが、特にこのアルバムはディストピアンな世界観と重厚なサウンドががっちりと嚙み合った傑作。

 ちなみにギターで参加しているのは、Strapping Young Ladはじめ様々な活動で知られる鬼才、Devin Townsend先生です。

Front Line Assembly が気に入ったら…
Noise Unit - Corroded Decay

 

Skinny Puppy (カナダ)

Human Disease (S.K.U.M.M.) (1988年/4thアルバム「VIVIsectVI」に収録)

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 このSkinny Puppyは一転してホラー/実験色が強め。ウゲウゲとゾンビのようなヴォーカルと、ノイジーで狂気的なサウンドはやや人を選びますが、ハマる人はどっぷりハマってしまう…そんな磁力を持ったグループです。あとこの人たち、PVやステージパフォーマンスがかなり過激かつグロテスクな事でも知られていますので、検索するときは要注意。

 ちなみに、先述のFront Line Assemblyの中心人物は、元々Skinny Puppyのメンバーでした。

 

Grave Wisdom (1990年/6thアルバム「Too Dark Park」に収録)

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 こちらのアルバムもタイトル通りのダークな作風ですが、この曲は若干ダンサブルかつキャッチーで取っ付きやすいかと。偏執的に作り込まれた独特のサウンドスケープは、かのNine Inch NailsMarilyn Mansonが直接的に引き継いだとも云われています。更に90年代以降のEBM/インダストリアル界隈はもちろんのこと、DeftonesKoЯnといったニューメタル系からもリスペクトを集めるなど、後世への影響の大きさは計り知れず。まさに知られざる暗黒帝王と言えるでしょう。

Skinny Puppyが気に入ったら…
Numb - Hole

 

SOFT BALLET (日本)

BODY TO BODY (1989年/1stアルバム「EARTH BORN」に収録)

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 日本にもEBMをやっているグループはいくつか存在していましたが、知名度・セールスの両面で最も成功したのがこのソフトバレエ。「EBMは知らないけどソフバは知ってる」とか、「ソフバからEBMという言葉を知った」という方も多いでしょう。

 この曲はデビューシングルですが、既に「歌謡EBM」という彼らの個性が確立。ボディビート・シンセベース・メタルパーカッション等、EBMのマナーを忠実になぞりつつも、そこに遠藤遼一氏の伸びやかなボーカルが載ることで、マニアックさとポップさが奇跡的なバランスを保っています。

 

VIRTUAL WAR (1991年/3rdアルバム「愛と平和」に収録)

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 タイトルからもビシバシ伝わる通り、当時の湾岸戦争に対する反戦メッセージが込められた攻撃的なトラックです。ソフバは海外のEBM/インダストリアル系からの引用が多いことでも有名ですが、この曲は特にそれが顕著。ギターノイズはMinistryの"Stigmata"、シンセベースはLead Into Goldの"Idiot"、ウォー! ウォー!のシャウトはNitzer Ebbの"Cold War"が元ネタともいわれています*5。このように、彼らの"パクリ元"を探していくだけでもEBMに詳しくなれること請け合いです。それにしても、これだけポリティカルなメッセージとコアな音楽性を内包しながら、涼しい顔で(?)お茶の間に進出していたの、今見ると信じられませんね。

SOFT BALLETが気に入ったら…
BRAIN DRIVE - VISION OF LOVE

 

 

 …とまぁこんな感じで、有名どころを一通り紹介してみました。一応、自分の趣味も少し盛り込みつつ、世間的な評価・作品の入手性・アルバム自体のクオリティ等々を鑑みてチョイスをしたつもりです。それと、代表格からもう1歩踏み込んで知りたい方のために、各アーティストの類似・関連グループもちょこっとだけ入れておきました*6。それでも尚「何であのグループが入ってないんだ!」「代表曲ならコッチだろ!」といった不満を持たれたそこの貴方、是非貴方も"自分自身が納得できる"EBM紹介文を書きましょう。マイナージャンル故、布教サイトはいくつあっても足りるということはありませんので…。

 

~おまけ~

 完全に個人の趣味を垂れ流したフェイバリットEBMリストはTwitterの方に残っていますので、良ければこちらもどうぞ。

 

*1:いんなーとりっぷブログ様では、これを「テクノロジーを駆使したハードロック」と表現されています。

*2:ちなみに、このEBMスラッシュメタルのギターリフを追加すると「インダストリアルメタル」というまた別のジャンルになります。といってもこの辺りの線引きは曖昧で個人の趣味嗜好によるところが大きく、自分の場合は「電子音の比重が高ければEBM、メタルギターの比重が高ければインダストリアルメタル」ぐらいのユルさで捉えています。

*3:メタルパーカッション、略してメタパーとも呼ばれます。

*4:細かいことを言えば、同じインダストリアルメタルでもミニストリーとはやや毛色が異なりますが…。

*5:あくまでファンの推測であり公式見解はないですが。あと、私は洋楽などをパクるということに特に否定的・批判的な意見は持っていないので念のため。

*6:こちらはやや入手難易度高めなものもありますのでご注意を。