Test Dept. - Atonal & Hamburg "Live"
英国が誇る鬼パーカッション軍団、Test Dept.のライブ盤。全て1985年の録音で、前半4曲がドイツの音楽フェス『Berlin Atonal』*1出演時の録音、後半3曲がハンブルグでのライブの録音です。リリースは(エンヤ化する前の)初期DeleriumやControlled Bleeding、Chromeなどを出していた、Dossierというドイツのレーベルから*2。
80年代の彼らのライブ音源には、本作以外にもう1つ「Ecstacy Under Duress」というアルバムが存在しますが、あちらは82~83年の録音ということで「Beating The Retreat」からの曲が中心。したがって、彼らの代表作であり最もテンションが高かった「The Unacceptable Face Of Freedom」前後の公式ライブ音源はこれが唯一です。そういう意味でマニアにとっては見逃せないアイテム。
中身はまさに、全盛期のTest Dept.の迫力を見事に切り取った内容となっています。やはりこの人たちの音楽性はライブの方が映えるというか、演者のボルテージが高まるようですね。特に後半3曲の迫力は、スタジオ音源を遥かに凌駕していますし、全7曲・40分とコンパクトなのも個人的によし。こういう音楽性で延々70分とか聴かされてもこっちが疲れてしまうので…(オイ)。選曲の面でも、自主製作カセット*3から2曲、「Beating The Retreat」から3曲、「The Unacceptable Face Of Freedom」から2曲とバランスが取れています(欲を言えば、これに"Compulsion"が加わっていれば完璧だった…)。
レーベルがどマイナーなせいで入手はやや難しいですが、探す価値のある内容だと思います。意外とTest Dept.入門にいいかも(?)。オススメです。
Released Year:1992
Record Label:Dossier
Track Listing
1. The Fall From Light
2. Total State Machine
3. Shockwork
4. Gdansk
5. Kick To Kill
6. Fist
7. 51st State Of America
Pick Up!:#7「51st State Of America」
自国(英国)を指して「ここはアメリカの51番目の州だ」と歌に乗せて皮肉ったのはThe Theのマットジョンソン*4でしたが、こちらはもう皮肉どころか徹頭徹尾マジギレしております。このパーカッション乱れ打ちは、血管切れるどころか掌の皮とか心配になるレベル。コラコラ、お決まりの皮肉のセンスはどこへ行っちまったんだいジョンブル(英国人)…というツッコミはまぁさておき。
*1:近年も開催されている息の長いフェスのようです。今は完全にテクノ系イベントと化しているようですが。Berlin Atonal〜原点に回帰し、未来を憂うベルリン・サウンドの本懐〜 – FLOOR
*2:変わりダネだと、へなちょこゴシックパンクだった頃のマイブラの1stをCDでリイシューしたのもここだったり。
*3:あまり知られていませんが、初期にこういうのを出してたりします→Test Dept. – History (The Strength Of Metal In Motion) (1982, Cassette) - Discogs
*4:The Theの"Heartland"という曲を参照の事。→https://www.youtube.com/watch?v=fPSO8pdAX6c