The Cure - Seventeen Seconds

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Released Year:1980

Record Label:Fiction Records

 

Track Listing

  1.A Reflection

  2.Play For Today

  3.Secrets

  4.In Your House

  5.Three

  6.The Final Sound

  7.A Forest

  8.M

  9.At Night

10.Seventeen Seconds

 

 イギリスのポストパンクバンドの2ndアルバム。1979年のデビュー以来、40年近く活動を続ける彼らの影響力はパンクやゴスに留まらず、非常に幅広い方面からリスペクトされていますが、今やDpeche Modeと並び、国内と海外での認知度に著しい剥離があるグループになってしまった感があります。ここ10年ほど新作を出してないですが、現在もライブは精力的に行っているようですね。

 

 キュアーといえば80年代後半のカラフルでポップなイメージが最も認知されている気がしますが、初期の彼らはJoy Divisionと並んで語られるようなシンプルでミニマルな音を鳴らしていました。でもJoy Divisionほど絶望に沈んでいるわけでもなく、Bauhausほどシアトリカルでもなく、Echo & The Bunnymenほどサイケでもなく...ジャケのように灰色でモノクロームな、うじうじと部屋に引きこもっているようなイメージ。あるサイトに書かれていた「暗いというよりちっとも明るくならない」という言葉以上に上手い表現が思いつきません。

 

 このアルバムではキーボード担当が加わったことにより、陰鬱なメロディーが強調され、うっすらと靄がかかったような雰囲気を演出しています。本当にただのスカスカなパンクだったデビュー当初に比べると、少しは空間的広がりや深みが生まれたような。一聴では「地味」以外の感想が出てこないかもしれませんが、これは噛めば噛むほど味が染み出してくる「滋味ポストパンク」(勝手に命名)。ヴォーカルその他全ての楽器に活力や覇気が感じられないこの音は、梅雨の季節、いつまで経っても晴れ間の見えない日々のお供としては最高です。

 

Pick Up!:#2「Play For Today」

 この曲は少しだけテンポが高めで元気があります。曲を引っ張るベースラインにタイトなドラム、そして寂しげなギターリフが堪らなく好き。ライブでは観客による大合唱が発生するそうですが、みんなで歌うような内容の歌詞かというと...。PVのロバスミはまだ髪も短いしメイクもしてないしで、初見時は誰だかわかりませんでした()