Pailhead - Trait

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Released Year:1988

Record Label:Wax Trax!

 

Track Listing

1.Man Should Surrender

2.Anthem

3.Don't Stand In Line

4.Ballad

5.I Will Refuse

6.No Bunny

 

  皆様ご存知Ministryのサイドプロジェクトの1つ。Al Jourgensen、Paul Barker、Bill Rieflinといういつものメンバー*1に加え、ヴォーカルにハードコアパンクの代表格と言われる(らしい、私は未聴)Minor Threat/Fugaziで知られるIan MacKayeを招いています。Al JourgensenとIan MacKayeがロンドンで知り合い、意気投合したのが結成のきっかけだとか。

 

 このアルバムは1987年から1988年にかけて発表された3枚のシングルをまとめたもの。Ministryはじめ数多あるアルさんの仕事の中では初めてギターを大々的に導入した作品であり、その後のインダストリアルメタル化への大きな布石になったといわれています。中身としてはRevolting Cocksの1stとMinistryの3rdを橋渡しするような音と言いましょうか。リヴコの1stにあったファンキーなベースと躍動感のあるドラムのコンボはそのままに、ハードコアパンク由来のギターが被さる事でより迫力が増しています。これを一言で表現すると、いわゆる「まんまKilling Joke」ということになります。

 

 #1のハードなリフはまさにThe Land Of~におけるMinistryのそれですが、ドタドタしたリズムと野太い独特なヴォーカルのせいか、本家のような冷徹さよりも野性的かつ混沌としたエネルギーを感じます。あと#4は後の名曲"So What"の原型かな?と思わせる部分があったり。この曲をはじめ、全体的にベースが前に出てきているのも私としては高ポイントです。特に#5の溜めに溜めてサビで爆発する展開は最高。この頃のPaul Barkerはいい仕事しますね。

 

 まだメタルというよりはパンク色が強く、ヴォーカルの声も癖があるので一般的なインダストリアルメタルを求める人には合わないかもしれませんが、Ministryの3rdやWax Trax!関連の音が好きな人、Paul Barkerの鳴らすベースが好きな人にはお勧めです。

 

Pick Up!:#1「Man Should Surrender」

 Pailheadとしては最後のシングルの表題曲。今までのシングル2枚で進めてきたボディとギターの融合が完成し、ここでThe Land Of~の(前半の)方向性がほぼ固まったといっていいでしょう。Ministryのライブでも演奏されています。

*1:ただし、#6のみBill RieflinではなくEric Spicerという人がドラムを叩いているらしいです。